輸入小麦の政府売渡価格、10月期は12.0%引き上げ
農林水産省が輸入小麦の政府売渡価格を10月期に12.0%引き上げ。製粉各社の5月の値上げ発表とあわせて、パスタや小麦粉の価格の見方を整理します。
元の動画の字幕・概要欄と、メーカーなどの一次情報をもとに作成しています。
農林水産省は2026年9月9日、輸入小麦の政府売渡価格について、令和8年10月期(10月以降)の価格を、5銘柄の加重平均(税込)で1トンあたり70,020円と決めたと発表しました。前の期(4月期)の62,520円から、12.0%の引き上げです。差額は1トンあたり7,500円になります。パスタや小麦粉の原料に関わる価格の動きなので、家庭でパスタを作る人にとっては、今後の食品の価格を考える手がかりの1つです。ただし、政府売渡価格は製粉会社などが政府から買う小麦の価格であり、店頭のパスタの値段が、そのまま同じ割合で変わるわけではありません。9月9日の発表を、10月下旬の時点で整理し、春の改定が店頭にどう届いたかと並べて確認します。農林水産省の発表と、主な製粉会社の5月の値上げ発表を取り上げます。
10月期の政府売渡価格:5銘柄の平均で12.0%の引き上げ
農林水産省の発表によると、令和8年10月期の政府売渡価格は、直近6か月間の平均買付価格を基に算定されました。5銘柄の加重平均(税込)の比較は次のとおりです。
| 期 | 価格(1トンあたり) |
|---|---|
| 令和8年4月期 | 62,520円 |
| 令和8年10月期 | 70,020円(12.0%の引き上げ) |
対象の5銘柄と、発表に書かれている主な用途は次のとおりです。
- カナダ産ウェスタン・レッド・スプリング(1CW):主にパン用
- アメリカ産ダーク・ノーザン・スプリング(DNS):主にパン・中華麺用
- アメリカ産ハード・レッド・ウィンター(HRW):主にパン・中華麺用
- オーストラリア産スタンダード・ホワイト(ASW):主に日本麺用
- アメリカ産ウェスタン・ホワイト(WW):主に菓子用
発表のページに載っている5銘柄には、パスタ用のデュラム小麦は含まれていません。銘柄ごとの価格も、このページには書かれていませんでした。ここから分かるのは、小麦粉やパン、麺などの原料価格の水準が、10月期に上がったということです。パスタの値段がどう変わるかは、この数字だけでは判断できません。
製粉会社は、4月期の改定などを理由に8月から値上げ
家庭用の製品の価格には、すでに春の改定の影響が出ています。2026年5月28日付の報道によると、ニップンは、2026年8月1日納品分から、一部の家庭用製品の出荷価格を改定すると発表しました。主な値上げ幅は、小麦粉が約3〜9%、ミックスが約3〜12%、パスタとパスタソースが約2〜7%、家庭用食品類が約1〜10%、乾麺が約6〜7%です。理由として、2026年4月1日の輸入小麦の政府売渡価格の改定のほか、原材料費、物流費、動力燃料費、人件費、為替変動、中東情勢を背景とした包装資材費の急騰が挙げられています。オリーブオイルは、家庭用食品類の例として挙がっていますが、個別の値上げ幅は示されていません。
日清製粉ウェルナも、LOGI-TODAYの報道では、5月14日に、家庭用製品を8月1日納品分から値上げすると発表しました。パスタ・パスタソース製品は2〜24%、小麦粉製品は1〜9%とされ、4月期の改定で業務用の小麦粉が値上がりしたことが主因で、円安、中東情勢、人件費なども挙げられています。昭和産業も、5月28日に、4月1日の改定を理由に、家庭用を8月1日納品分から2〜13%値上げすると発表したと、報じられています。これらは、いずれも報道で確認した内容で、各社のプレスリリースそのものは確認できていません。
10月期の改定は、これからの価格にどう響くか
筆者が各社の発表と報道を確認した範囲では、10月26日時点で、10月期の政府売渡価格の引き上げを理由にした、家庭用のパスタや小麦粉の新しい値上げ発表は、見当たりませんでした。春の改定のときは、4月1日の改定に対し、各社の発表は5月、家庭用の納品分への反映は8月からと、数か月の時間差がありました。この流れが今回も同じになるかどうかは、各社の発表を待つ必要があります。
価格の動きをどう見るか(筆者の見方)
ここからは筆者の見方です。春の例を見ると、政府売渡価格の改定から家庭用製品の価格への反映までには、数か月の時間差がありました。今回の10月期の引き上げも、反映されるとすれば、年明け以降の各社の発表で表れると考えられますが、時期や幅は現時点では分かりません。パスタの原料のデュラム小麦は今回の5銘柄に含まれないため、パスタの価格は、為替や輸送費などの影響も含めて、メーカーの価格改定のお知らせで確かめるのが確実です。買い置きを急ぐかどうかは、この記事の範囲では判断できません。
参考にした公式情報・報道
- 農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格(令和8年10月期)」(2026年9月9日)
- LNEWS「ニップン/小麦粉、ミックスなど最大12%値上げ、物流費上昇も要因に」(2026年5月28日)
- LOGI-TODAY「日清製粉ウェルナ、家庭用製品を8月から値上げ」(2026年5月14日)
- LOGI-TODAY 昭和産業の家庭用製品の値上げ(2026年5月28日)
2026年10月26日時点の情報です。
レシピ記事は、YouTube「ファビオ飯/イタリア料理人の世界」の動画(字幕・概要欄)をもとに当サイトが再構成したものです。分量・加熱時間は目安です。食物アレルギーのある方や、生の卵・魚介を扱うときは十分にご注意ください。